日光開山の父、勝道上人の足跡を巡る。歴史と絶景に出会う旅へ

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世界遺産「日光の社寺」。きらびやかな東照宮が有名ですが、その礎を築いた一人の僧侶がいたことをご存知でしょうか。その名は、勝道上人(しょうどうしょうにん)。
約1250年前、未踏の地であった日光の山々を切り開き、信仰の地とした偉大な人物です。
今回の旅は、そんな勝道上人が歩んだ苦難と信念の道をたどり、彼が愛した日光の絶景と聖なる空間を体感する、特別な時間旅行です。上人が見た景色、感じた思いに心を馳せながら、奥深い日光の魅力を発見してみませんか?

旅の始まりは伝説の架け橋「神橋(しんきょう)」から

日光の玄関口に架かる、朱塗りの美しい神橋。この橋こそ、勝道上人の日光開山の伝説が始まる場所です。

険しい山と大谷川(だいやがわ)の激流に行く手を阻まれた上人が神に祈ると、深沙大王(じんじゃだいおう)という神が現れ、2匹の蛇を放ちました。すると蛇は絡み合い、山菅(やますげ)が生えた橋となり、上人を対岸へと導いたとされています。

この伝説から「山菅の蛇橋(やますげのじゃばし)」とも呼ばれる神橋は、まさに聖地への入り口。ここを渡ることはできませんが、橋のたもとから、その神々しい佇まいを眺め、1250年前の奇跡に思いを馳せてみましょう。旅への期待感が一気に高まります。

【スポット情報】

  • 場所: 栃木県日光市上鉢石町
  • アクセス: JR・東武日光駅からバスで約5分「神橋」下車すぐ
  • ポイント: 渡橋はできませんが、橋のすぐ近くまで行って記念撮影が可能です。
http://輪王寺 http://日光二荒山神社

勝道上人が切り開いた聖地「日光山内」へ

神橋を渡った先は、いよいよ世界遺産エリア。ここには、勝道上人が創建した寺社がいくつも点在しています。

1. 日光山輪王寺(りんのうじ)

766年、勝道上人が最初に建立した「四本龍寺(しほんりゅうじ)」が始まりとされるお寺です。日光山の総本堂である**三仏堂(さんぶつどう)**は、東日本では最も大きな木造建築物。中には、日光三山の本地仏(ほんじぶつ)とされる千手観音・阿弥陀如来・馬頭観音の三体の巨大な仏像が祀られており、その迫力に圧倒されます。まずはここで、旅の安全を祈願しましょう。

2. 日光二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)

勝道上人が目指した**男体山(なんたいさん)**を御神体として祀る神社です。上人は、この険しい山の登頂に2度失敗し、3度目の挑戦でついに成功しました。二荒山神社は、縁結びや開運のご利益で知られていますが、勝道上人の「困難を乗り越える強い意志」のご利益もいただけそうですね。境内にある樹齢約700年の「ご神木」や、霊泉「二荒霊泉」も見どころです。

【スポット情報(日光山内)】

  • 場所: 栃木県日光市山内
  • アクセス: 「神橋」バス停から徒歩約10分

ポイント: 輪王寺、二荒山神社、東照宮の「二社一寺」を巡る共通拝観券もおすすめです。

http://中禅寺湖 http://中禅寺

絶景の先に広がる、上人が見たかった景色へ

日光山内からさらに足を延ばし、勝道上人が目指した奥日光エリアへ向かいましょう。

3. 中禅寺湖(ちゅうぜんじこ)

男体山の噴火によってできた、美しい湖。勝道上人が男体山登頂を成し遂げた際に発見したと伝えられています。標高1,269mに位置し、穏やかな湖面には周囲の山々が映り込み、四季折々の絶景が広がります。遊覧船に乗って、湖上から男体山を眺めれば、上人が感じたであろう達成感と感動を少しだけ共有できるかもしれません。

4. 中禅寺 立木観音(たちきかんのん)

中禅寺湖畔に佇むこのお寺は、勝道上人が湖に千手観音様の姿を見たとされ、自ら桂の木の立木に観音像を彫ったことが始まりと伝えられています。そのため、今でも観音様は地面に根を張っていると信じられています。坂東三十三観音霊場の第18番札所でもあり、多くの巡礼者が訪れるパワースポットです。湖を望む「五大堂」からの眺めは、まさに絶景です。

【スポット情報(奥日光)】

  • アクセス: 日光山内エリアからバスで「中禅寺温泉」方面へ約45分
  • ポイント: いろは坂をバスで登ります。カーブが続くので車窓からの景色も楽しんで。
日光開山の父、勝道上人の足跡を巡る。歴史と絶景に出会う旅へ

【上級者向け】旅のクライマックス:男体山登拝

もし、体力と時間に自信があれば、旅の総仕上げとして勝道上人が目指した男体山への登拝に挑戦してみてはいかがでしょうか。

二荒山神社中宮祠から始まる登山道は決して楽ではありませんが、山頂にたどり着いた時に目の前に広がる360度の大パノラマは、まさに圧巻の一言。眼下には中禅寺湖が広がり、遠くには関東平野を一望できます。勝道上人がこの景色を見たとき、どんな思いだったのでしょうか。その足跡を自分の足でたどることで、この旅は忘れられない体験となるはずです。

【登山情報】

  • 開山期間: 5月5日~10月25日
  • 所要時間: 往復で約6~7時間
  • 注意: 本格的な登山です。しっかりとした装備と計画で臨みましょう。

おわりに

勝道上人の軌跡を巡る旅は、ただ美しい景色を見るだけでなく、日光という土地が持つ深い歴史と精神性に触れることができる特別な旅です。

困難に立ち向かい、強い信念でこの地を切り開いた上人の情熱。その息吹は、1250年経った今も、日光の山や川、そして社寺に静かに宿っています。

次の休日は、勝道上人の物語を道しるべに、奥深い日光の旅へ出かけてみませんか?

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※当記事の内容は、一つの見解としてご参考ください。
※当記事で紹介している内容は、2025年8月20日時点の情報です。ご利用の際は、必ず公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。

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