【データで”可視化”する栃木の実力】第4回:餃子だけじゃない! 宇都宮市民が「日本一」お金を使う意外なモノとは? 消費データ大解剖

目次

前回、栃木県民(特に男性)は北関東トップクラスの給与を得ながら、東京の半分以下の家賃で暮らしているため、「お金と時間のゆとり」があるという話をしました。

では、その浮いたお金は、具体的に何に使われているのでしょうか? 第4回は、栃木県公式データと独自のリサーチを組み合わせ、県民の「意外な日本一」と、そこから見える「資産形成のリアル」を読み解きます。

※本記事のデータは、栃木県公式HP「数字でみるとちぎ」および総務省「令和5年 住宅・土地統計調査」等に基づきます。

1. 公式データが語る「意外な日本一」。サラダ、いちご、そして遊園地!

まずは、栃木県が公表している公式データから、餃子以外の「意外な出費」を見てみましょう。 ここからは、県民が「健康」と「家族との時間」にお金を惜しまない姿が浮かび上がってきます。

■ 実は「サラダ」支出額が日本一!

意外なことに、宇都宮市は**「サラダ」の支出額が全国1位**(2022-2024年平均)です。 さらに**「トマト」の購入量も3位**。 餃子などのガッツリ系だけでなく、新鮮な野菜をしっかり食べる健康志向な一面が、データにはっきりと表れています。

■ さすが王国! 「いちご」は”食べる”のも日本一

生産量日本一の「いちご」ですが、実は「購入量」でも全国1位を獲得しています。 「農家から貰う」だけでなく、スーパー等でお金を払ってでも買う。この地産地消の精神と地元愛が、いちご王国を支えています。

■ 家族サービスが凄い! 「遊園地」好き日本一

そして最も特徴的なのが、「遊園地入場・乗物代」の支出額が全国1位であること。 県内には那須ハイランドパークやとちのきファミリーランドなど魅力的な施設が多く、週末は家族総出でレジャーに出かけるのが栃木のスタンダードです。

2. 一家に2台は当たり前? 車への投資は「東京の3倍」

ここからは、県の広報ではあまり語られない、独自の「コスト構造」に切り込みます。 栃木県での生活を語る上で、避けて通れないのが「クルマ」です。

1世帯あたりの自家用車保有台数

  • 栃木県: 1.60台 (全国6位 / 関東1位)
  • 東京都: 0.42台 (出典:自動車検査登録情報協会 2023年3月末)

一家に1台どころか、「大人1人に1台」が栃木の常識です。 家計調査を見ても、宇都宮市の「交通・通信費」の割合は高く、特にガソリン代や車両購入費への支出は東京を圧倒しています。

しかし、思い出してください。 第3回で触れた通り、栃木県の家賃は東京の半分以下(年間約100万円安い)です。*「家賃で浮いた100万円を、車の維持費やローンに回している」と考えれば、収支のバランスは十分に取れています。

満員電車に揺られることなく、好きな音楽を聴きながら、プライベートな空間でドア・トゥ・ドアの通勤をする。 この「移動のストレスフリー化」にお金を使うのが、栃木流のライフスタイルと言えます。

3. 結局、お金は残るのか? 「持ち家率69.1%」の真実

「レジャー」や「車」にこれだけお金を使っても、栃木県民の家計は破綻しません。 むしろ、「資産」は着実に積み上がっています。

その決定的証拠が、最新の「持ち家率」の高さです。

持ち家住宅率(2023年)

  • 栃木県: 69.1% (約7割が持ち家)
  • 東京都: 45.8% (出典:総務省「令和5年 住宅・土地統計調査」)

栃木県の持ち家率は約7割に達しており、東京(4割半)とは住環境が根本的に異なります。 土地が安いため、20代・30代で「広い庭付き一戸建て」を購入することも珍しくありません。 自宅敷地内に駐車場を確保できるため、前述の「車の複数台持ち」も、駐車場代ゼロで実現できるのです。

「高年収(製造業)× 低コスト(住居費)= 資産形成(持ち家・車)」

この「勝ちパターン」が確立されていることが、栃木県で働く・暮らすことの最大の経済的メリットと言えるでしょう。

まとめ:栃木県は「我慢せずに、豊かさを手に入れる」場所

第4回のデータをまとめると、栃木県民の消費行動には以下の特徴があります。

  1. 家族と健康への投資: 「サラダ」「いちご」「遊園地」で日本一。心身の健康と家族の思い出にお金を使っている。
  2. 車社会への適応: 家賃の安さを活かし、移動の快適性(車)に投資している。
  3. 圧倒的な資産形成: 浪費しているわけではなく、約7割という高い「持ち家率」が示す通り、着実に資産(マイホーム)を築いている。

東京のような派手な消費とは違いますが、「広い家に住み、好きな車に乗り、週末は家族で遊園地に行き、美味しい野菜を食べる」。 そんな、人間らしい実質的な豊かさが、ここには確実に存在します。

次回(最終回)は、これまでのデータを総括し、 「結局、栃木県は”買い”なのか?」 県外からの移住・企業進出を検討している方への「結論」をお届けします。

【データの出典について】 本記事のデータは、以下の資料に基づいています。

  • 栃木県公式HP「数字でみるとちぎ」(家計調査 2022~2024年平均等)
  • 総務省「令和5年 住宅・土地統計調査 栃木県結果の概要」(2023年)
  • 一般財団法人 自動車検査登録情報協会(2023年) ※最新の統計数値については、各公式サイトをご確認ください。
※当記事の内容は、一つの見解としてご参考ください。
※当記事で紹介している内容は、 2026年4月1日 時点の情報です。ご利用の際は、必ず公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。

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