栃木県南東部に位置する益子町。豊かな里山の風景が広がるこの町は、江戸時代末期から続く「益子焼」の産地として、全国にその名を知られています。
ぽってりとした温かみのある手触り、素朴でありながらも洗練された佇まい。益子焼の器は、私たちの日常にそっと寄り添い、何気ない毎日を少しだけ特別なものへと変えてくれます。
今回は、とちぎファンなら誰もが魅了される、益子焼とそれが息づく町「益子」を訪ね、手仕事のある豊かな暮らしの始め方をご紹介します。

栃木県南東部に位置する益子町。豊かな里山の風景が広がるこの町は、江戸時代末期から続く「益子焼」の産地として、全国にその名を知られています。
ぽってりとした温かみのある手触り、素朴でありながらも洗練された佇まい。益子焼の器は、私たちの日常にそっと寄り添い、何気ない毎日を少しだけ特別なものへと変えてくれます。
今回は、とちぎファンなら誰もが魅了される、益子焼とそれが息づく町「益子」を訪ね、手仕事のある豊かな暮らしの始め方をご紹介します。
益子焼の歴史は、江戸時代の終わり、嘉永6年(1853年)に始まります。笠間で修行した大塚啓三郎が、益子に窯を築いたのがその始まり。以来、鉢やすり鉢、土瓶といった日用の器が作られ、人々の暮らしを支えてきました。
益子焼の特徴は、なんといってもその「土の風合い」。地元の土を使い、伝統的な釉薬(糠白釉、柿釉、黒釉など)をかけて作られる器は、厚手で丈夫。飾らない素朴な美しさは「用の美」と称され、多くの民藝ファンを惹きつけてやみません。
近年では、伝統を受け継ぎながらも、若手作家によるモダンで新しい感性の作品も数多く生まれています。多彩なデザインの中から、自分の暮らしにぴったりの一枚を見つける宝探しのような体験も、益子焼の大きな魅力の一つです。
都心からのアクセスも良く、宇都宮市からは車で約40分。週末にふらりと訪れることができるのも益子の魅力です。さあ、あなただけの特別な器を見つけに出かけましょう。
益子で最も賑わいを見せるのが、春のゴールデンウィークと秋の11月3日前後に開催される「益子陶器市」です。販売店約50店舗のほか、約500のテントが立ち並び、伝統的な益子焼から若手作家の個性的な作品まで、ありとあらゆる器に出会えます。
作家さんと直接言葉を交わしながら、作品に込められた想いを聞くことができるのも陶器市ならでは。お祭りのような賑やかな雰囲気の中、掘り出し物を探してみてはいかがでしょうか。(※開催時期については、公式サイトをご確認ください。)
陶器市以外の時期でも、益子の町歩きは楽しみに満ちています。町の中心である「城内坂通り」には、個性豊かな販売店やギャラリーが軒を連ね、ゆっくりと器選びを楽しむことができます。
また、「かまぐれの丘」や「もえぎ城内坂」など、複数の作家の作品を一度に見ることができる複合施設もおすすめです。緑豊かな小径を散策しながら、感性に響く作品との出会いをお楽しみください。
お気に入りの器を手に入れたら、早速いつもの食卓に取り入れてみましょう。
益子焼の器は、どんな料理も優しく受け止めてくれる懐の深さがあります。器を変えるだけで、日々の食事がもっと楽しく、豊かな時間になることを実感できるはずです。
器を使うだけでなく、自ら作ってみるのも益子ならではの楽しみ方です。町内には、初心者でも気軽に挑戦できる陶芸体験教室が数多くあります。
土の塊から自分の手で形を生み出していく時間は、まさに無心になれる癒やしのひととき。ろくろ体験や手びねり、絵付けなど、様々なプログラムから選べます。
自分で作った世界に一つだけの器でいただく食事は、きっと忘れられない格別な体験になるでしょう。
益子には、器以外にも心惹かれるスポットがたくさんあります。
素朴で温かい益子焼は、私たちの日常に豊かさと彩りを与えてくれます。
次の週末は、陶芸の里・益子へ出かけてみませんか?きっとそこには、あなたの暮らしを豊かにする、素敵な出会いが待っています。
※当記事の内容は、一つの見解としてご参考ください。
※当記事で紹介している内容は、2025年7月25日時点の情報です。ご利用の際は、必ず公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。