1300年の歴史を誇る名湯:那須湯本温泉「鹿の湯」
「鹿の湯」は、栃木県那須町にある那須温泉郷(なすおんせんきょう)の発祥地であり、栃木県内で最も古い歴史を持つ温泉です。
建物に一歩足を踏み入れると、そこはまるでタイムスリップしたかのような世界。硫黄の香りと湯煙に包まれた、木造建築の風情ある空間が広がります。ただ体を洗うだけでなく、古き良き日本の「湯治(とうじ)」文化を肌で感じることができる特別な場所です。
名前の由来と伝説
開湯は今から約1390年前の7世紀前半と伝えられています。 狩野三郎行広という人物が、山中で狩りをしている最中に、射損じて逃げた白鹿を追っていたところ、その鹿が湧き出る温泉で傷を癒やしているのを発見しました。 これにちなんで「鹿の湯」と名付けられ、以来、多くの人々の傷や病を癒やす名湯として愛され続けています。
鹿の湯の特徴と魅力
- 独特な入浴スタイル(かぶり湯) 鹿の湯では、入浴前に「かぶり湯」を行うのが作法です。柄杓(ひしゃく)で後頭部にお湯を数十回〜数百回かぶることで、温泉成分を吸収し、のぼせを防ぐ効果があると言われています。
- 温度の異なる複数の浴槽 浴場には、温度の異なる小さな浴槽がいくつも並んでいます。
- 男湯: 41度、42度、43度、44度、46度、48度(6種類)
- 女湯: 41度、42度、43度、44度、46度(5種類) 自分の好みに合わせて温度を選べますが、48度の高温浴は鹿の湯ならではの名物であり、短熱浴(短時間で温まる入浴法)を楽しむ常連客も多く見られます。
- 泉質:白濁した硫黄泉 お湯は強い酸性の含硫黄泉です。白く濁ったお湯は肌への効能が高く、皮膚病や婦人病、疲労回復などに効果があるとされています。(※石鹸やシャンプーは使用できません)
注意点 鹿の湯は「観光施設」であると同時に、静かに療養を行う「湯治場」の雰囲気を大切にしています。石鹸類の使用禁止や、静かに入浴することなど、古くからのルールを守って楽しむのが粋なスタイルです。


