栃木県真岡市東郷に鎮座する大前神社は、1500年以上の歴史を持つ古社であり、「大前さま」の名で地域の人々に親しまれています。延喜式神名帳にも記載される由緒ある神社で、ご祭神は福の神として知られる大国主大神（だいこく様）と事代主大神（えびす様）の二柱です。
健康長寿、縁結び、開運招福、病気平癒、家内安全など、幅広いご利益があるとされ、多くの参拝者が訪れます。特に、境内に鎮座する「日本一えびす様」を祀る大前恵比寿神社は、宝くじ当選祈願の神社としても知られ、全国から参拝者が訪れます。
現在の社殿は、安土桃山時代末期に再建されたもので、本殿、拝殿、幣殿は国の重要文化財に指定されています。極彩色豊かに彩られた彫刻は、当時の名工たちの匠の技が光り、見る者を魅了します。特に本殿の彫刻は、建物の未来への継承を願う「水の恵みと水神」や、神様の力を表す霊獣・霊鳥などが精緻に表現されています。
境内には、神聖な水が湧き出る「鶴の泉」や、商売繁盛のご利益があるとされる「五行福銭水」など、パワースポットも点在しています。また、春には寒紅梅が咲き誇り、美しい景観を楽しむことができます。
大前神社では、年間を通して様々な祭事が行われます。特に、大祭に奉納される神楽は真岡市の文化財に指定されており、「だいこくえびす舞」や「天狐白狐の舞」など、古式ゆかしい舞が奉納されます。